コラム
車のマフラーの温度が高すぎるとどうなる?排気温度の熱対策についても紹介
みなさんは、車のマフラーがどれくらいの温度になるか知っていますか?
車のマフラーは出口の部分でも手で触れなくなるほど熱くなります。
ただし、この温度は高ければ高いほどいいというものではなく、高温すぎてはいけません。
マフラーの温度が高すぎてしまうと、排気温度警告灯が点灯してしまいます。
この記事では、排気温度警告灯はどのようなときに点灯するのか、ついてしまったときはどのように対処すべきなのかを詳しく解説します。
マフラーの温度が高いとどうなる?
自動車のマフラーは、ガソリンを燃やした時に発生する高熱の排気ガスが通ります。
マフラーの根本部分は約800℃もの高温になり、出口部分でも約300℃になるといわれています。排気温度を測るためにあるのが「排気温センサー」です。
排気温が高すぎる場合はどこかが故障しているというサインですので、原因の解明が必要です。
排気温センサーの役割
排気温センサーは、排気温度やマフラー内部の温度を測ります。温度の異常上昇を検知した場合、排気温度警告灯を点灯させて自動車の異常や故障を知らせてくれます。
排気温度の異常な上昇は、主に点火系のトラブルによって発生することが多いです。
排気温度の異常な上昇はなぜ起きる?
前述の通り、排気温度の異常な上昇は点火系のトラブルによって発生することがほとんどです。
特に、ガソリンに火花を飛ばして点火する役割がある「スパークプラグ」の消耗や故障が原因であることが多いです。スパークプラグが消耗していると、「片肺」と呼ばれる状態に陥ってしまいます。
これは、エンジンのシリンダーのうちのひとつが動かなくなってしまう状態です。
たとえば四気筒の車であれば、シリンダーがひとつ動かなくなってしまい三気筒分しか正常に機能していないといった状態をあらわします。
四気筒のエンジンが三気筒で動いている間、動かなくなってしまったシリンダーにもガスは流れ込みます。
本来はここでガスは燃焼されるのですが、動かなくなったシリンダーでは未燃焼ガスのまま、触媒やマフラー内部へと流れ込んでしまいます。
この未燃焼ガスが触媒やマフラー内部で燃焼してしまうと、当然排気温度は異常に上昇し、これが排気温センサーに感知されて排気温度警告灯が点灯します。
排気温度警告灯とは?
排気温度警告灯とは、このようなマークの警告灯です。四角い温泉のマークのような見た目をしている、赤色に点灯する警告灯です。
警告灯は国際規格(ISO)で定められており、赤色は「危険」を、黄色は「注意」を、緑色は「安全」を示しています。
排気温度警告灯は赤色の警告灯であるため、この警告灯が点灯したら「危険である」ということを表しています。
排気温度警告灯は、排気温度やマフラー内部の温度に異常上昇が見られた時に点灯します。
この警告灯が点灯した時は、周囲を確認し枯れ葉などの燃えやすいものが落ちていない場所に安全に停車しなければなりません。
排気温度警告灯が点灯するのはどのようなときか
排気温度警告灯は、排気温センサーが触媒やマフラー内の異常な温度上昇を検知したときに点灯します。主な原因は、スパークプラグまたはイグニッションコイルの消耗です。
スパークプラグまたはイグニッションコイルが消耗していると、エンジンのシリンダーの一部が動かなくなってしまいます。
ガスが流れ込んできても動かなくなったシリンダーでは燃焼することができず、高温の未燃焼ガスのまま触媒やマフラーに流れ込みます。
この未燃焼ガスが触媒やマフラー内で排気温センサーに検知され、排気温度警告灯が点灯します。片肺の状態となってしまっているときは、車のパワーが落ちてしまいます。
たとえば、本来四気筒の排気量2000ccの車が片肺になり一気筒動かなくなってしまいました。この場合、三気筒で動くことになり排気量は1500ccとなります。
車の重量などは変わらずにパワーが落ちてしまうので、普段の走行に不便を感じるほど影響が出てしまいます。
排気温センサーの故障の場合もある
排気温センサー自体の故障でこの警告灯が点灯してしまう場合もあります。
車種によっては排気量センサーが壊れやすかったり、排気温度警告灯が一度点灯してしまうと排気温センサーを交換しなければならないこともあります。
原因がわからずにこの警告灯が点灯してしまった場合は一度整備工場で点検してもらい、しっかりと原因を解明しましょう。
また、排気温度警告灯が点灯している状態では車検を通すことができません。
排気温度を正常に戻すには?
排気温度の異常上昇があった場合、どうすれば排気温度を正常な状態に戻すことができるのでしょうか。
まずは、排気温度の異常上昇でもっとも考えられる原因のスパークプラグを点検しましょう。スパークプラグは消耗品であり、定期的な交換が必要な部品です。
一部のシリンダーが動かなくなってしまう「片肺」と呼ばれる症状も、スパークプラグの交換で改善されることがあります。
それでも直らない場合は、次にイグニッションコイルの消耗を疑います。
イグニッションコイルとは、バッテリーからの電圧を点火装置であるスパークプラグに供給する部品です。
イグニッションコイルはスパークプラグよりも少し高価ではありますが消耗品であり、交換することで改善されることが多いです。
エンジンの片肺の症状が直ると未燃焼ガスがエンジン内部以外やマフラー内部などで燃焼してしまうこともなくなり、排気温度は正常に戻ります。
排気温度によるトラブルを避けるための対処法
排気温度警告灯が点灯する原因はどれも重大な故障に繋がり得るトラブルですので、できる限り未然に防ぎたいところです。
ではそのために、何ができるのでしょうか。
スパークプラグなどの消耗品を定期的に交換する
まずは、スパークプラグやイグニッションコイルの定期点検をしましょう。
スパークプラグやイグニッションコイルには交換の目安となる距離数や年数が設定されていることが多いです。
一般的なスパークプラグは軽自動車用で10,000km、普通自動車用で20,000km、ロングライフタイプのスパークプラグで100,000kmが寿命といわれています。
これらをしっかりと確認し記録しておき、交換時期が近づいてきたら早めの交換をすることで、片肺となってしまうリスクを大幅に下げます。
スパークプラグは1本につき(一気筒につき)約2,000円?、イグニッションコイルは10,000?15,000円ほどでカー用品店で交換してもらうことができます。
排気温センサーが壊れていたらすぐに交換する
点検しても特に故障が見当たらない場合は、排気温センサー自体が故障してしまっていることもあります。
排気温センサーの故障によって排気温度警告灯が点灯してしまっている場合は、しっかりと排気温センサーの交換を行いましょう。
排気温センサーが正常に機能していない状態で放置してしまうと、本当に排気温度の異常上昇が発生してしまっているときに気づくことができません。
危険な故障を避けるためにも、排気温センサーが壊れている場合は交換しましょう。
まとめ
車の排気温度は、車の不調を知るためにもとても重要なものです。
マフラーや排気の温度が高すぎると危険が生じてしまいます。
スパークプラグやイグニッションコイルなどの消耗品を適性時期に交換し、定期的に点検することが大切です。
排気温度警告灯が点灯した場合は、大きな故障を引き起こしてしまう前に対応しましょう。