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タイヤの空気圧は高めが良い?高すぎるリスクや点検・充填方法を解説

「タイヤの空気圧は高めに調整した方が良い」という話を聞いたことがある人は多いでしょう。しかし、実際に調整する際に、「本当に高めに調整していいの?」と悩む人もいるでしょう。タイヤの空気圧は、高すぎても低すぎても本来のパフォーマンスを発揮できません。では、空気圧はどれくらいに調整すればいいのと思う人もいらっしゃるのでは...。

そこで今回は、タイヤの空気圧の適正値や確認方法、空気圧が高すぎる場合と低すぎる場合に起こる問題、タイヤの空気圧の充填方法や注意点などについて解説します。タイヤの空気圧についてより詳しく知ることができるので、ぜひ最後までご覧ください。

タイヤの空気圧は高めにしてもいい?適正値は?


「タイヤの空気圧を高めに調整した方が良い」と聞いたことがある人もいるでしょう。その答えは、一部正解で一部間違いです。高めに設定するといっても、空気圧が高すぎるとタイヤ本来のパフォーマンスが発揮できません。

正しい空気圧に調整することで、タイヤ本来のパフォーマンスを発揮することができるため、必ず調整前に確認して調整しましょう。

タイヤ空気圧の適正値は車種やタイヤサイズにより異なり、指定空気圧と呼ばれる空気圧が基準となります。タイヤの空気圧の適正値は、指定空気圧から+20kPa程度までの範囲で調整するとよいでしょう。

タイヤの空気圧の適正値を確認する方法

タイヤの空気圧の適正値の確認方法を解説します。タイヤの空気圧の適正値は、指定空気圧と呼びます。

指定空気圧とは、燃費性能や乗り心地、安全性の確保など自動車メーカーが定めたタイヤ本来のパフォーマンスが発揮できる数値のことです。この指定空気圧は、運転席ドア付近や給油口などに貼られているステッカーに記載されています。

この指定空気圧は、前後タイヤで異なることもあるので、しっかり確認しましょう。

タイヤの空気圧の上限値はどれくらい?

タイヤの空気圧の上限値は、指定空気圧の+20kPa程度が良いとされています。現在の乗用車の指定空気圧の多くは、200~280kPaの範囲で設定されています。そのため、上限値は指定空気圧の+20kPa程度なので、220~300kPa程度が上限値となるでしょう。

車種やタイヤサイズによって指定空気圧は異なるので、必ず指定空気圧を確認してから調整するようにしましょう。

高速道路を走る際、タイヤの空気圧は高めにしなくてよい

高速道路を走行する時は、空気圧は高めがいいと言われることがあるでしょう。結論は、高速道路を走行する際に空気圧を高めに設定しなくて良いです。先程紹介した、車種やタイヤサイズによって異なる指定空気圧に調整することで、タイヤ本来の性能を最大限に発揮することができるためです。

これは、自動車メーカーが車を設計する段階で、燃費や乗り心地、安全性能や操作性などのトータルバランスが最適化された数値なので、その指定された空気圧に設定するのがベストといえるでしょう。

タイヤの空気圧が高すぎると起こる問題


ここでは、タイヤの空気圧が高すぎると起こる問題について解説します。タイヤの空気圧が高すぎる場合に起こる問題は、「タイヤの摩耗が早くなる」「バーストする可能性がある」「安定性が下がる」「車が揺れやすくなる」などが挙げられます。以下で、それぞれについて見ていきましょう。

タイヤの摩耗が早くなる

タイヤの空気圧が高い状態が続くと、タイヤの中央部のみが路面と接触するため早く摩耗してしまい、偏摩耗を起こしてしまいます。タイヤの偏摩耗は、運転の仕方や空気圧の関係などで起こりますが、空気圧が高すぎる偏摩耗はタイヤの中央部のみが摩耗するため、タイヤローテーションでは対応できなくなります。

そのため、タイヤ交換が必要となるので、空気圧の高すぎは摩耗を早め出費を増やしてしまう可能性があるのです。

バーストする可能性がある

タイヤの空気圧が高すぎると、タイヤの弾力性が低下してしまい、段差や路面からの衝撃を吸収しにくくなります。

その結果、タイヤが外部からの衝撃に弱くなることで、ダメージを受けやすくなり、タイヤに傷ができやすくなります。そのまま走行を続けると、弱くなった傷の部分からバーストしてしまう可能性もあります。

走行中にバーストすると非常に危険なので、注意しましょう。

安定性が下がる

空気圧が高すぎるとタイヤの接地面積が小さくなってしまうので、グリップ力が低下してしまいます。そのため、ブレーキング時の制動距離が通常より長くなってしまうことや、スリップしやすくなるといった危険性があります。

また、空気圧が高すぎることで、タイヤがふらつきやすくなり、操縦安定性が低下することもあるので注意しましょう。

車が揺れやすくなる

タイヤの空気圧が高すぎると、タイヤが内部の空気圧でパンパンに張ってしまい、衝撃を吸収できなくなります。そのため、段差や路面の凹凸を走行する時に車自体が跳ねるようになるので、車が揺れやすくなり乗り心地が悪化します。

また、軽自動車のトールタイプやミニバンなどの車高が高い車では、高速走行中の横風などでふらつきなどが起きやすくなる点にも注意が必要です。

タイヤの空気圧が低すぎると起こる問題


次に、タイヤの空気圧が低すぎると起こる問題について解説します。タイヤの空気圧が低すぎる場合には、「燃費が低下する」「安定性が低下する」「パンク・バーストする可能性がある」などが挙げられます。

燃費が低下する

タイヤの空気圧が低すぎると、タイヤと地面の接する面積が多くなり、摩擦抵抗が増えます。その結果、前に進毛とする力が余計に必要となり、燃費の悪化へと繋がります。

安定性が低下する

タイヤの空気圧が低すぎると、ハンドル操作にタイヤがついてこない可能性があります。ハンドル操作が重たく感じられ、ハンドルがとられてふらつきが起こり、事故に繋がる可能性があります。

ハンドル操作が鈍く重く感じられる場合は、タイヤの空気圧以外が原因の可能性もありますが、タイヤの空気圧は自分でも点検できるのでチェックしてみましょう。

パンク、バーストする可能性がある

タイヤの空気圧が低すぎる状態で高速走行を続けると、タイヤのたわみが大きくなり波打つ状態になる「スタンディングウェーブ現象」を起こしやすくなってしまいます。

スタンディングウェーブ現象が起こると、タイヤが異常に発熱して高温になり、最悪の場合はバーストしてしまいます。

バーストすると、車のコントロールが難しくなり制御不能に陥ることもあるので、注意する必要があります。

タイヤの空気を充填する方法|空気圧は高めではなく適正値に


ここでは、タイヤの空気を充填する方法を解説します。タイヤの空気の充填方法は、「据え置き型で充填」「タンク型で充填」「カー用品店・ガソリンスタンドで充填」などがあります。以下でそれぞれについて解説します。

ここまでで解説したように、タイヤの空気圧は、高めではなくその車の指定空気圧の範囲で調整しましょう。

据え置き型でタイヤの空気圧を充填する方法

据え置き型の空気充填機は、持ち運びができないのでその場まで車を移動させる必要があります。また、現在入っている空気圧の測定はできません。しかし、指定空気圧(入れたい空気圧)を入力することで、その空気圧まで自動で充填してくれます。

据え置き型の使用方法は以下の通りです。

  1. 空気充填機のメーターに指定空気圧(入れたい空気圧)を入力する
  2. エアバルブのキャップを外す
  3. 空気充填機のノズルをエアバルブに挿入する
  4. 入力した数値まで自動で空気が充填される
    (空気の充填中は音がなります。充填完了したら音が止まります)
  5. 終了したらキャップを取り付けて完了

タンク型でタイヤの空気圧を充填する方法

タンク型の空気充填機は、持ち運びが可能なので、車を移動させることなく空気圧の調整をすることができます。また、充填だけでなく空気圧の計測も同時に行うことができます。

タンク型でタイヤの空気圧を充填する方法は以下の通りです。

  1. タイヤのエアバルブのキャップを外す
  2. ノズルをタイヤの差し込み口に挿入する
  3. +と-ボタンを押して空気圧を指定空気圧に調整する
  4. キャップを取り付けして完了

ノズルを差し込むと空気圧が自動で計測されます。指定空気圧まで不足している時は「+」を、多く入れすぎた場合は「-」を押すことで、指定空気圧まで調整することができます。

カー用品店・ガソリンスタンドで空気圧を充填してもらう

カー用品店やガソリンスタンドでも空気圧の充填は可能です。ガソリンスタンドの場合はセルフで空気圧調整をする必要があることが多く、使い方が分からない人もいらっしゃるでしょう。その場合は、スタッフに声をかけて使い方を教えてもらいましょう。

カー用品店やフルタイムのガソリンスタンドでは、スタッフに声をかけることで空気圧のチェックと充填をしてもらえます。自分で行う必要がないケースがあるので、困った時は頼りにすると良いでしょう。カー用品店では、窒素充填に対応している店舗も多いです。

タイヤに入れる窒素については、以下の記事で詳しく解説しています。
<タイヤに窒素充填は必要?窒素の意味とメリットデメリットを解説>

タイヤの空気を点検・充填する際の注意点


タイヤの空気を点検・充填する際に注意する点はどのようなものがあるのでしょうか。ここでは、「タイヤが冷えてから空気圧を点検・充填する」と「スペアタイヤも点検・充填する」の2つの注意点について解説します。

タイヤが冷えてから空気圧を点検・充填する

タイヤの空気圧を調整する時は、タイヤが冷えてから行うようにしましょう。なぜなら、タイヤが熱を持っている時は、内部の空気圧が膨張しており、正確な空気圧が測定できないためです。特に、高速走行した後や長時間走行した後はタイヤと地面との摩擦により熱を生じやすくなっています。

例えば、100km/hの高速走行を行うと、タイヤの温度は40~50℃上がるとされており、空気圧も10~15%ほど上がるといわれています。

このように、空気圧はタイヤの温度が高い時は正確に計測できないので、タイヤが冷えた状態の時に点検・充填を行いましょう。

スペアタイヤも点検・充填する

タイヤの空気圧を調整する時には、スペアタイヤを搭載している人は、スペアタイヤの空気圧も同時に調整しておきましょう。もし、出先などでタイヤがパンクしてしまった場合に、空気圧が低くて使用できない状態であれば、スペアタイヤの意味がありません。

スペアタイヤの空気圧も徐々に減っていくので、タイヤの空気圧を点検する時には同時に点検・充填するようにしましょう。

スペアタイヤの空気圧も運転席ドア付近のステッカーやスペアタイヤ自体にステッカーが貼られているので、数値を確認してから充填しましょう。
半年~1年に1回は点検・充填しておくのがおすすめです。

まとめ:タイヤの空気圧は高めではなく適正値に設定しましょう

今回はタイヤの空気圧は高めではなく適正値に設定する理由について解説しました。タイヤの空気圧は、高すぎてもタイヤ本来のパフォーマンスを発揮することができません。タイヤの空気圧が高すぎると、タイヤの摩耗が早く進んだり、バーストする可能性、安定性の低下や車体が揺れやすくなるなどのようなトラブルが発生します。

空気圧を高く設定しすぎるだけで、上記のようなトラブルが発生し、タイヤにとっても車にとっても良くありません。

タイヤの空気圧は適正値に調整しましょう。指定空気圧は、運転席ドア付近や給油口などにステッカーが貼られており、そこに記載されています。

空気圧はカー用品店やガソリンスタンドなどで充填が可能です。分からない場合は、スタッフに相談しましょう。

タイヤの空気圧を適正値に保ち、安心安全に運転しましょう。

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